2018年10月21日日曜日

朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国の略称)と朝鮮学校を敵対視するKimura Jo氏への反論

Media ActivisitのKimura Jo氏が数十回に及ぶメッセンジャーでの、謝罪と氏の文書の削除を要請していきました。新たに誤解が生じないようなしっかりとした文書を作成して送ってくるとのことです。私はあれだけ朝鮮、総連と民族学校を執拗に批判し支援の中止を一般の市民に呼びかけていた人が何故、謝罪するのか全く理解できません。私は氏がその新たなしっかりとした文書を送ってくるのならば、その段階で公開した文書と交換すると約束したのですが、氏はどうしても文書の削除を執拗にお願いしますといい続けています。
私は朝鮮、総連、朝鮮学校を支持していませんが、彼らを理解し対話を続けたいと考えています。
らちがあきませんので、一旦、氏の要望を受け、氏の文書全体はその根幹部分だけを残し(これも氏の提案)削除し、 Kimura Jo氏からの新たな誤解の余地のないしっかりとした文書を待つことにします。   崔 勝久


朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国の略称)と朝鮮学校を敵対視するKimura Jo氏への反論

誰にでも何かに(何であれ)反対する権利はありますから、あなたの主張はあなたの自由です。しかし根本的に現在の日本は日本帝国から戦後の日本国に引き継がれた(憲法の位置づけ通り)わけですから、おそらく戦後生まれであろうあなたは、その戦後の日本国にとって植民地支配の清算がアジア諸国との関係においてもっとも重要な課題であることは否定できないでしょう。あなたも植民地支配の清算の重要性は認めていますが、それは私の批判を避け、朝鮮と朝鮮総連、朝鮮学校批判を主張したいがためのものだと思います。本気になって、正面から、今の時点において日本の植民地支配の清算をするという歴史的課題を明確にしてほしいと願います。

あなたは朝鮮の人権蹂躙の実態を批判することを最大の課題にしていますね。それは自由です。いかなる国であろうと人権の蹂躙が許されることではないということには私も賛成です。しかし朝鮮については、日本社会の常識と価値観だけで判断し批判するということは重要な誤りであることを以下の観点から指摘いたします。

1)朝鮮は日本の植民地支配の清算という課題からすればまさにその当事者国です。日本は植民地支配の清算と課題を明らかにして賠償金を支払い、国交を樹立しなければなりません。そのことは小泉さんの時に日朝平壌宣言で明確にしています(参照 https://oklos-che.blogspot.com/2018/06/blog-post.html)。

2)日朝平壌宣言ではその1に早期の「国交正常化を実現させるため、あらゆる努力を傾注すること」をあげ、「懸案事項を解決」することが「双方の基本利益に合致するとともに、地域の平和と安定に大きく寄与する」という共通の認識を確認しています。

3)しかし両国の固有(国内)問題に関しては一切触れていません。即ち、それは「日朝間に存在する諸問題」ではなく、両国は自らの問題として自らの責任において対応することが前提にされているということです。

4)それではあなたはどうして世界のあらゆる国(日本を含めて)に存在する人権問題の中で朝鮮の人権問題だけをとりあげ、批判し、朝鮮労働党(朝鮮は中国と同じく、一党支配)と手を切るべきだと主張するのでしょうか。それはまず日朝平壌宣言の趣旨に根本的に反しています。朝鮮半島の平和、アジアの平和のためにあらゆる関係国は対話と協働の精神をもってお互いに対応していくべきだという時代、歴史の流れに反するものです。

5)人権蹂躙の現実を黙過するべきではないという主張ですが、朝鮮における人権蹂躙の実態はなんでしょうか。朝鮮は「違法行為、不法行為を繰り返し、山の中の政治犯収容所に約20万人を監禁して動物化して殺害し、公開処刑と粛清を繰り返し、恐怖支配で朝鮮人民を奴隷化」しているということですが、朝鮮はどのような「違法行為」「不法行為」をおこなっているのでしょうか。私はなによりもそのような人権問題を解決していくのは内外の民衆の力だと考えます。性急に一方的に外部の人間が批判するべきことなのでしょうか。それは政権の転覆、指導者の殺戮(実際に米政権は公表)と結びつけられた主張であるのなら勿論、そうでなくとも慎重であるべきだと考えます。

6)朝鮮における人権蹂躙の証拠としてあげるあなたの「恐怖支配で朝鮮人民を奴隷化」しているという認識は一方的です。朝鮮の政治体制を批判し、脱国する者がいますが、彼らの立場からの証言を「証拠」にして朝鮮が「恐怖支配で朝鮮人民を奴隷化」しているという認識には同意できません。日本とは違う彼らの独自の歴史的背景をもち朝鮮半島分断下で、朝米関係において圧倒的な国力の差がある彼らが自らの自衛のために独裁制を敷き核兵器とロケットの開発に特化していったのは彼らの必然であったと考えます。朝鮮人民が自ら進んで独裁下での政治体制に賛同、支持、参加している面があることを認めないと朝鮮の現実は理解できないでしょう。私は反原発・反原爆の原則的な立場から朝鮮の現実を肯定できませんが、理解します。

7)あなたは総連と民族学校を同一のものとしていますが、それらは別のものです。両者が創立時の経緯や人脈から深い関係があることは当然です。在日社会において総連が作られ、そしてなによりも民族学校が作られ、在日子弟に民族教育(朝鮮人としてこの差別的な日本にあっても人間らしく生きる教育)を続けてきたことは高く評価されるべきです。それを総連との一体化や教育内容が盲目的な朝鮮支持、追随であるしてその存在さえ否定し、ましてや朝鮮学校を支持、支援する日本人に支援を止めるように主張するとは越権であり、まさに不当な行為だと言わざるをえません。

8)それでは朝鮮本国での人権蹂躙問題を放置しておいていいのか、というあなたの意見ですが、まず朝鮮高級学校無償化の運動は、「北朝鮮と朝鮮総連の日本世論に対する「組織的な政治工作」である」と書いていますが、この問題は学校法人である朝鮮学校だけを政治的な意図(総連と関係があるということだけで)なされる差別であり、朝日新聞もそのことに言及しています。それは日本社会の問題として受け止め解決しなければなりません(https://www.asahi.com/articles/DA3S13706216.html)。日本人であるあなたはなによりも、在日の教育権を行使する民族学校生徒の「人権」を守るべきであり、その権利を阻害する日本政府、地方自治体行為を批判するべきです。そのことを黙認、支持して朝鮮の人権問題をとりあげるのは不当です。

以下、Kimua Jo氏の要望通り、氏の主張の根幹部分だけを公開します。即ち、①朝鮮学校への支援停止、②無償化の運動は朝鮮と総連の「組織的な政治工作」、③朝鮮労働党と総連とは日本市民は手を切るべき、④朝鮮は人民を奴隷化している、という内容です。Jo氏からのしっかりと公開を前提にした文書が来た段階でそれを公開することにして、氏との公開討論を続けたいと思います。

Kimura Jo 
自己紹介:I am a media activist mainly interested in gender issues and local politics in East Asia.
https://www.facebook.com/search/top/?q=kimura%20jo

Kimua Jo氏の主張の骨子部分の引用を証拠として以下、あげておきます。
①「日本の左派、良心派、人権派のみなさん。朝鮮学校が変わり、本来の民族教育を取り戻すまで、支援は停止すべきです。」
②「朝鮮高級学校無償化の運動は、北朝鮮と朝鮮総連の日本社会と世論に対する『組織的な政治工作』である。」
③「日本左派、市民派・民主派、人権派、良心派の人々は、きっぱりと朝鮮労働党や朝鮮総連と手を切るべきである。」
④「違法行為、不法行為を繰り返し、山の中の政治犯収容所に約20万人を監禁して動物化して殺害し、公開処刑と粛清を繰り返し、恐怖支配で朝鮮人民を奴隷化している政権を、態度でも支援するのは、もうやめるべきである。」

1 件のコメント:

  1.  反中国をこじらせて中華料理屋を襲った馬鹿を連想した。色々と理屈を付けてはいるけど、牽強付会でしかない。

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