2018年4月26日木曜日

この1週間の注目すべき新聞記事とそれに対する私のコメントを紹介します

この1週間、韓国から日本に戻り朝日新聞を中心に注目すべき記事を紹介しながら私のコメントを記してきました。以下、ブログにあげます。

明日は南北朝脳会談が板門店で持たれます。今日の朝日新聞では、北朝鮮側は28日にも会談が続くことを予想し、金正恩委員長の宿所を準備したようです。1945年の日帝の植民地支配からの解放以後、朝鮮戦争によって南北分断が決定的になる経験をしてきた両国首脳がはじめてその戦争の休戦をした場で会うのですから、冷戦時代の落とし子の東西ドイツのように、朝鮮の統一を期待する世界史的な出来事だと思います。休戦協定には韓国は参加せず、当事者は北朝鮮とアメリカと中国ですから、終戦協定・平和条約を結ぶのは北朝鮮とアメリカ、中国です。しかし明日の首脳階段において、朝鮮半島の平和と南北朝鮮の交流が話し合われることは間違いないでしょう。
そして米朝首脳会談が来月もたれます。私は日本が植民地支配の清算を十分にしていないことの最大の問題の解決として、北朝鮮との国交樹立と謝罪金の支払いがなされると考えています。しかし本日の安倍首相の国会での答弁を聞いていても、あくまでも拉致問題と北への圧力が強調され、北のミサイル・核兵器の開発の前提になった原因(朝鮮半島の緊張)と日本の責任にはまったく触れていません。日朝平壌宣言にも触れませんでした。
私は反核・反原発を唱える者ですが、北朝鮮がミサイルと核兵器の開発を進めたことによって、大国アメリカが北朝鮮との対話に応じるようになったと理解しています。安倍とトランプは自分たちの圧力の結果だと自画自賛していますが。いずれにしても日本は拉致問題と中近距離のミサイルを解決させたいというのであれば、安倍首相が米韓に依頼するのでなく、自ら北朝鮮を尋ね交渉すべきです。遅かれ早かれ、そのような状況になるでしょう。

1)朝日新聞(4月26日)から注目すべき記事を紹介。
1)元米国務次官補代理のエバンス・リビア氏は、過去の米政府は北朝鮮の非核化について「同盟国、米軍基地、関係国と米国への脅威を取り除く」としていたが、トランプ政権は「米国」(ファースト)を強調している、と説明する。
2)米国ファーストとは、北朝鮮が米国本土へのミサイルと核兵器攻撃をしないと約束させることであったとしても、北朝鮮(朝鮮半島)の非核化の実現にためには、過去の米政府が北朝鮮に約束した内容は実現させるしかないのではないか。
3)一方、米戦略予算評価センター前所長は、米国の戦略で最優先地域は西太平洋として、その第一は日本、第二はフィリピン、第三は台湾、第四はベトナム、第五がインドで、「韓国も重要だが、これらの国より戦略的優先度は高くない」、「現在、潜在的軍事力を持ち、現状を変えようとする勢力は中国」とみなしている。
4)米国は中国との関係で防衛の北部分を日本が受け持ち、南部分は米国の責任領域とし、日本は「陸自はより展開可能な部隊に展開させ、米海兵隊と同じ特徴を持ち始めている」と捉えている。そして米国は自衛隊の海外派遣を促してきたが、「今は周辺地域の防衛に集中すべき」と考えているようだ。
5)朝鮮半島に世界最大の駐留軍を置きながら韓国の戦略的優先度は高くないとするのは、米朝首脳会談の準備段階で既に、トランプ政権はこれまで米政府が北朝鮮に非核化の対価として米軍基地撤兵は別にして、約束したことを既に金正恩委員長に示していると思われる。
2)朝日新聞(4月25日)に注目すべき記事がありました。
中国とロシア、中央アジア諸国が加盟する「上海協力機構」の外相会合が、24日北京であり、参加各国は「単独制裁で主権者国家の政治経済に圧力をかけるよからぬ企てが続いている」との北朝鮮を念頭に置いた見解が出されました。朝日は、「独自制裁似批判的な中ロの遺構が反映されている」と見ています。
「北朝鮮が、各実験やミサイル発射実験の停止を表明。こうした方針転換を受けても、独自制裁を続ける日米韓の姿勢を批判」したかたち、という見解を示しています。
これは日米韓の北朝鮮に圧力をかけ続けるという政策で世界が一致しているのではなく、それに反対する勢力が確実にあるということを示しています。即ち、北朝鮮は決して孤立していないということです。27日の南北首脳会談、5-6月の米朝首脳会談は、日本政府が主張する北への強行路線で進むでしょうか。北朝鮮に自ら訪問せず、韓米に委ねながら、これまでの圧力が功を奏したと自画自賛する日本政府の戦略が成功するはずがありません。

3)4月20日、週間ぶりに朝日新聞を読み驚きました。
北朝鮮への圧力一辺倒の日本は日米の完全な一致を公表していたのですが、トランプはまたもや秘密裏に(日本政府に知らせず、しかし韓国には報告しています)北朝鮮にポンペア米大統領補佐官を送り、金正恩と話し合いをさせています。
添付したように、アメリカの元米国務省北朝鮮担当官が以下のように公言しています。「私は北朝鮮との非公式の対話を続けてきた。彼らは愚か者ではない。彼らの長期的な戦略は、段階を経ながらの「見返り」をけいさんしている。これには米国が北朝鮮に対する敵視政策をやめることもふくまれている」、愚か者は日本なのです。私は安倍を含め、マスコミも本当に愚かだと思います。

4)日本のマスコミの北朝鮮報道が歪んでいます。
1)拉致問題解決を北朝鮮に求めれば、6兆円要求されると、植民地支配の清算には触れないかたちで、北朝鮮を批判するように今朝のニュースで報道していました。
2) 拉致問題や中近距離ミサイルの問題をアメリカに依頼して北朝鮮に交渉してもらうということが当たり前のこととして報道されています。その発想自体に問題があります。国際連帯で北朝鮮を追い詰めることでは朝鮮半島に平和はもたらすことはできません。
韓国、アメリカ、中国、ロシアが既に北朝鮮と直接話し合っています。日本は正面から植民地支配の清算(国交樹立、賠償金の支払い、慰安婦・被爆者問題)、拉致問題、東北アジアの平和への貢献について北朝鮮との直接交渉しか道はありません。どうして日本のマスコミ、市民がそれを日本政府に要求しないのか、わかりませんね。

5)4月20日、朝日新聞 安倍首相の記者会見発言
なんだ、これは?日朝平壌宣言にはいかなる条件も付かず、両国がどのように前に進むのかを明らかにした宣言です。安倍が言うのであれば、「日本が(小泉首相が約束したように)正しい道を歩むのであれば」ということであったはずです。
これでは、北朝鮮がアメリカの核攻撃に備えて防御のために開発したミサイルと核兵器であるのに、まるで北朝鮮が一方的に日米攻撃の準備をしているので、それを止めれば、ということになっています。朝鮮半島の緊張の緩和には朝鮮戦争の終結、平和条約の締結が必要不可欠なのです。
そして 朝鮮戦争時、米軍は日本の基地から出陣したこと、日本は後方援助してきたことから、現在の朝鮮半島の緊張に日本は責任の一端があるのです。安倍は一言もそのことに触れず、日本のマスコミも全ての緊張の責任を北朝鮮の問題にした論調です。
非核化が必要なのは、北朝鮮でなく、朝鮮半島全体なのです。歴史的に見れば当たり前のことです。

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