2017年11月21日火曜日

大阪市のサンフランシスコ市への「宣戦布告」!

大阪吉村市長の書簡
大阪市の吉村市長は11月15日にSF市長あてに書簡を送り、市長がSF市議会の「慰安婦」少女像の受け入れ決定に対する拒否権を行使することを求め、それが実行されない場合はSF市と大阪市の姉妹都市関係の解消を明記しています。これは実質的な「宣戦布告」です。SF市長は吉村市長の要望を受け入れることはないでしょうし、SF市民が大きく反発しないはずがありません。大阪市は世界の笑い者になり、世界から孤立を余儀なくされるでしょうし、万博を誘致に決定的なマイナス要因になるでしょう。

参考資料として後段で、吉村市長の書簡と、彼に対する大阪市民の反応を掲載します。川崎市も大阪市同様に海外の都市と姉妹都市関係を結んでいるので、川崎がどのようにそのことを決定したのかも詳しく聞きました。比較のためにこの点も紹介します。


  現地情報:サンフランシスコからの緊急の依頼に対応しませんかーー

  大阪市長の姉妹都市解消の「脅し」に対して

    http://oklos-che.blogspot.jp/2017/10/blog-post_28.html

SF市長がSF市議会の決定に拒否権行使を求める書簡の送付
私は今日の午後、大阪市の担当職員に電話をして、大阪の吉村市長が米国サンフランシスコ市長に送った、11月15日付けの書簡について日本語に翻訳して公開されていないのかの確認をしました。そうすると昨日、アメリカでその手紙を受け取ったことが確認できたので、今日、HPにあげたということでした。

SF市議会では「慰安婦」少女像の受け入れを正式に決議しているので、吉村市長による手紙は、「姉妹都市関係を根本から見直さざるを得ない、即ち姉妹都市関係の解消を申し入れることにな」ります。「しかし10日以内であればSF市長は議会で決定されたことでも拒否権があるので、今こそリー市長の拒否権行使という思慮深い英断を強く望む」ということが述べられています。

それではそもそも大阪市とSF市の姉妹都市の締結はどのような手続きを経たものなのか、またその解消にはどのような手続きが必要なのか大阪の議会事務局と国際担当の職員の話を聞きました。

大阪市職員の説明
①SFでは、1957年、市議会が大阪市との姉妹都市になることを承認し議決した。
②一方、大阪市は姉妹都市締結に関する条例がないので、議会での議決は必要なく、姉妹都市の締結に関しては、先例上、市長が各派の幹事長会議との協議で決めたものであり、その解消手続きについては定められた条例も、先例もない。
③吉村市長は先の手紙でSF市長に書簡を送り拒否権行使を依頼したものの、それがSF市長から拒絶された場合、実際に大阪の各派幹事長会議にかけて「協議の成立」を求めることになるが、その幹事長会議(議会)は60年の歴史があるSF市との姉妹都市関係の解消を決定するなんら権限はなく、会派の中で「解消」に反対意見があっても、実質上、市長の意向で決まることになる。

私の意見
1)吉村市長はおそらくSF市長に会いに渡米し、最後のメンツを賭けたボス交を求めると思われます。そこで碑文の内容の変更を求めるのか、拒絶されるのかはわかりません。私見では、碑文の訂正にはSF市長は応じないでしょう。そしてその結果をもって、大阪市長は各派の幹事長会議との「協議」をするでしょうが、それは実質的には「報告」であり、市長は自説を強行するものと思われます。
2)大阪市の国際担当部に来る市民からの意見は、圧倒的に市長を支持するという内容のようです。
3)吉村市長は、国際万博を招聘するという大プロジェクトを前にしてこの案件をいつまでも引き延ばすわけにはいかないので、年内にも早急に結論を出さざるをえなくなると思われます。またこの「慰安婦」問題で世界の女性の人権問題、歴史問題を喚起することを避けたいと思うでしょう。
4)大阪市議会がこの件に関して法的に対応できないのであれば、後は大阪市民が市長のリコールを求めるしかありません。
5)それは実質的に困難であれば、運動側としては、万博の大阪での開催に反対する国際運動を展開するしかないというのが、私の判断です。

参考資料:
1)大阪吉村市長からSF市長に送られた書簡
2017年11月15日  
サンフランシスコ市長 エドウィン・M・リー 様   

貴殿には常日頃より大阪市との姉妹都市交流にご尽力いただき、厚くお礼申し上げる。 先月には30名もの貴市代表団にご来阪いただき、多くの大阪市民と親しく交流すること ができた。 

一方で、11月14日のサンフランシスコ市議会にて、議案171070「寄付収受と 歳出-慰安婦正義連盟-芸術作品の寄付と「慰安婦の」強さの柱と題された芸術作品の維 持にかかる基金-寄付評価総額39万8千ドル」が採択されたと知った。私はこの間、慰 安婦像及び碑が貴市に移管されることのないよう、重ねてお願いしてきた。10月には像 と碑が設置されている民有地が公有地に移管されたところで、それに続いての今回の市議 会の決定を私はこの上なく遺憾に感じている。 

本年は姉妹都市提携60周年という記念すべき節目の年である。姉妹都市とは強固な相 互信頼に基づいた関係と認識しており、このタイミングでの貴市の動きは両市の信頼関係 を根本から揺るがす事態であると考える。本市にはサンフランシスコに慰安婦像が設置さ れることへの懸念を示す意見も寄せられており、もしこのまま同決議が成立した場合、9 月29日付の書簡で述べたとおり、苦渋の選択ではあるが、姉妹都市関係を根本から見直 さざるを得ない、即ち姉妹都市関係の解消を申し入れることになる。 

繰り返し申し上げているとおり、私は長年培った貴市との関係を継続したいと切望して いる。現地コミュニティの分断や姉妹都市関係へのネガティブな影響を回避し、両市が1 957年の提携以来構築してきた友好関係を未来世代につないでいきたいと考えている。 サンフランシスコ市長は議会の採択に対して拒否権を持っており10日以内であれば反対 を表明することができる。今こそリー市長の拒否権行使という思慮深い英断を強く望むも のである。 

本来であれば、直接お会いしてお願いすべき事柄であるが、11 月 13 日に面談を申し入れ たところ、貴殿の都合がつかないとのことであるので、このように書面でお願いする非礼 をお許しいただきたい。 

なおこの書簡については、これまでの書簡同様、サンフランシスコ(SF)市民及び大阪市民に 広く知っていただきたいとの趣旨で、公開書簡とさせていただく。 

大 阪 市 長  吉 村 洋 文 

(参考和訳)(大阪市のHPより引用:http://www.city.osaka.lg.jp/keizaisenryaku/page/0000417243.html)

2)川崎市の場合(総務企画局総務部庶務課(国際担当)職員からのヒアリング)
①川崎氏の場合は独自に川崎市議会基本条例を設定し、姉妹(友好)都市提携する場合は議会が議決することを明記
している。
  (議決事件)
  第8条 地方自治法第96条第2項の規定による議会議決すべき事件は、次のとおりとする。
  (3)姉妹都市若しくは友好都市の提携又はこれらに類するもの
②市議会が議決して姉妹都市締結の予算化などを決定する。
③解消に関しては先例はないが、条例で「姉妹都市若しくは友好都市の提携又はこれらに類するもの」としているので、この「類するもの」として姉妹都市解消も決議の対象になる。

3)サンフランシスコ市での慰安婦像設置について(20件)ー大阪市HPより
  http://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000397063.html


市民の声

主なご意見
(1) 大阪市長からの書簡送付について
・大阪市長からサンフランシスコ市長あてに公開書簡を送付した件について、心から敬意を表すると共に、感謝申し上げます。
・サンフランシスコ市への抗議の姿勢を支持します。
・大阪市長が姉妹都市のサンフランシスコ市の慰安婦像への対応について懸念を示され、文書にて慎重な対応を申し込まれたのに対し、サンフランシスコ市から十分な調査なく返信が来たことに失望しています。その碑文内容の事実確認は行われていないように感じます。
・大阪市長からサンフランシスコ市長あてに公開書簡を送付されましたが、なぜ、サンフランシスコ市へ訪問した際に、話をしなかったのでしょうか。
(2) サンフランシスコ市への今後の対応について
・大阪市においても、持てるチャネルを通じて、不当な行為を排除する措置を継続されることを強く望みます。
・大阪市長からサンフランシスコ市長あてに公開書簡を送付した件について、サンフランシスコ市が誤認していると、正しく指摘する必要があります。何度でも繰り返し指摘してください。歴史の事実を直視せよと主張してください。これは、事実を知らしめる良い機会でもあります。あやふやな態度は認めることになります。
・サンフランシスコ市長は、「慰安婦像に記載されている文言は事実に基づいている。」と言っているが、不適切な表現があるなら、慰安婦碑の撤去を要請してもらいたい。
・サンフランシスコに設置される慰安婦像の件について、毅然とした態度で臨んでください。
・大阪市長からサンフランシスコ市長あてに送付した公開書簡への返信において、「碑文の文言が事実に基づいており、真の目的を伝えている。」との返答があったと報道されているが、これで引き下がらないでいただきたい。何を持って事実と認定したのか尋ねてください。
・姉妹都市のサンフランシスコ市で慰安婦が建設されるとのことですが、大阪市から建設しないように働きかけなどを行っていただきたい。
・大阪市長がサンフランシスコ慰安婦像設置に関して抗議文を出され、「事実だ」との返答があったとのことでしたが、何もしないと返答内容を認めたことになるので、ぜひ反論してください。
・大阪市はきっぱりと反論、正論を述べ、必要なら姉妹都市解消でもよいのではないでしょうか。
・サンフランシスコ市との姉妹都市提携を速やかに解消して欲しい。
・断固たる処置として、「サンフランシスコ市との姉妹都市提携の解消」という強いメッセージを送るべきです。
・今後のサンフランシスコの対応いかんでは、大阪市としても姉妹都市解消を視野に入れた対応を望みます。
・サンフランシスコと姉妹都市である事の意味は、それほど重要ではありません。
・このまま姉妹都市提携を続けることは、サンフランシスコ市がやっていることを黙認、または肯定していると受け取られます。
(3) その他
・これを機会に大阪市としても国を動かし、国と協力して慰安婦の実像を調査し、その結果を公表する活動をお願いします。
・サンフランシスコ市の慰安婦像に記載されている文言が事実でないなら、名誉棄損でサンフランシスコ市及び市長を告訴してもらいたい。
・是非向こうの裁判所に提訴し、黒白を付けていただきたい。
・主張すべきことをしないと相手の主張を認めることになるという国際常識があるため、大阪市が主張しなければ慰安婦の実態を国際的に認めたことになります。
【平成29年2月6日から平成29年2月17日までに受け付けた案件です


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