2016年1月5日火曜日

長かった「混乱」から「真実」が見えはじめました

原発体制を問うキリスト者ネットワーク(CNFE)のニュースレターNo.9が発行され、そこに拙論が掲載されましたので、公開します。この小論を元にして、私は今年の最初のメッセージをブログで公開しました。原発メーカー訴状の現実、私たちの闘いの目標をさらに詳細に展開しました。こちらの方も参考にしていただければさいわいです。


今年初めてのメッセージの発信ですーー新年にあたっての私たちの決意
http://oklos-che.blogspot.jp/2016/01/blog-post.html



            長かった「混乱」から「真実」が見えはじめました

                    CNFE共同代表   崔 勝久

                                    
はじめに
原発メーカー訴訟の会(会長は渡辺信夫牧師、事務局長は日立社員である朴鐘碩氏)の長かった混乱の中心にいた私は釜ヶ崎の本田神父や、福岡の木村公一牧師及び一緒に闘ってきた仲間から、「混乱」の中から「真実」が明らかにされると激励され、それを信じ、今日に至りました。
書記の秋山さんからメーカー訴訟に関する原稿を書くように依頼されたのですが、まさに、そのタイミングに合わせるかのように、訴訟の会の「混乱」の中から「真実」が見えはじめました。これまで同じ事務局内で対立してきた者が、朴事務局長の掲げる3つの公約の下で協力し合いながら、メーカー訴訟の勝利をめざして、分裂ではなく一致してやっていくことの合意ができました。
心を痛めてくださったみなさんには、この間の「混乱」に対するお詫びを申し上げると同時に、展望が見え始めたことのご報告ができますことに感謝いたします。




朴事務局長の三つの運動方針案
弁護団との対話を求め、訴訟協力体制を作り上げる
「訴訟の会」の結束を求め、裁判勝訴に向けて弁護団原告、本人訴訟両者の協力体制の推進を支援する
海外活動団体、個人との国際連帯強化
私たちはCNFEの立ち上げの中から原発メーカー訴訟を提起し、釜山で行われたWCC総会で多くの原告を集めました。そして2012年の3月11日に東京地裁に提訴し、「原発メーカー訴訟の会」という4000名の原告の有志による組織をつくりました。しかし下記に記した理由で「原発メーカー訴訟の会・本人訴訟団」(代表は木村公一牧師、事務局長は私)を結成するに至りました。朴事務局長の公約は、「訴訟の会」としては弁護団と本人訴訟団の二つの主張を支援していくというものです。
来年の1月の総会における選挙で訴訟の会の運動方針が決定され、訴訟の会は新たな出発をすることになります。これまでのML上の混乱、弁護団との関係もすべて、メーカー訴訟の勝利に向けた進展と共に改善されていくと信じます。

これまでの経過
メーカー訴訟の弁護団は、自分たちの主導に従わなければ原告を「切る」と公言し、実際に前・現事務局長である私と朴氏との委任契約を解除し代理人を辞任しました。私たち二人だけでなく、「訴訟の会」との対話を拒否する弁護団を解任した原告は「選定者」「注1」になりました。本人訴訟団を結成したのは、弁護団の、原告の立場を尊重しない弁護士職務基本規程に反する言動に起因します。しかしそのことも裁判の進展とともに解決されていくでしょう。

これまでの長かった「混乱」を経たからこそ、弁護団が書いた訴状とは別に、原告自身が集団で訴訟を進める画期的な、「選定当事者制度」を活用した本人訴訟に踏み切り、自分たちの主張を明文化した準備書面「注2」を東京地裁に提出することができました。
本人訴訟団は35名の「選定者」になった者で構成されています(年内50名の予定)。ちなみに「選定者」とは原告と同じと考えてくださって結構です「選定者」の「代理人」になる「選定当事者」9名の内、6名はキリスト者です。

本人訴訟団の主張は原告弁護団と対立するものでなく、「相補う」ものです。弁護団の訴状は、原発事業者(東電)の「責任集中の原則」を謳いメーカーの責任を免責にした原賠法に根本的な問題があるという違憲論を展開します。私たちは、原発メーカーが原発を製造すること・輸出すること自体が民法90条の「公序良俗」に反するという主張をしています。そのふたつの主張が原告の両輪となって、被告弁護団と対決することになります。

被告弁護団は3回の口頭弁論で裁判を終わらせるべきであり、原賠法を採用しない私たちの主張も一緒にして早期結審にしたいと公言しています。ですから、私たちは、原告弁護団との分離裁判を求め原告主張の複数化を図ります。そうすることで同じ裁判ですが、弁護団とは異なった証人・証拠をだすことになり、判決も別々に出されます。弁護団は原告の精神的損害としてメーカーに100円の賠償金を請求するのですが、私たちは一人100万円です。
私たちを早期に葬りたい被告弁護団の主張に抗するには、原告弁護団と本人訴訟団はメーカーの責任を法廷の場であきらかにするために協力し合い、連帯をしなければならないのです。それは必定です。

私たちは、原発体制は差別の上で成り立っていると捉えています。ですから、私は原発訴訟を通して反原発・反核兵器・反差別を目標にした国際連帯運動に貢献したいと願うのです「注3」。それは戦後日本の、一国平和主義を乗り越えることのできなかった歴史的な課題の克服につながるでしょう。イエスキリストに従いみなさんと共に歩めることを祈ります「注4」

「注1」 「制定当事者制度とは」http://nonukes.eyedia.com/jp/selection/
「注2」 準備書面と合わせ、メーカーの問題点を明らかにするための質問集、求釈明書、朴鐘碩氏の陳述書もあわせてお読みください。http://nonukes.eyedia.com
「注3」「私たち原発メーカー訴訟の会・本人訴訟団の主張」の http://oklos-che.blogspot.jp/2015/11/blog-post_57.html
「注4 私の個人ブログOCHLOS(オクロス) http://oklos-che.blogspot.jp/ です。累計で35万人、そのうち、40%は海外の人です。私は、CNFEはメーカー訴訟の生みの親と考え、闘争の全過程を知って真実を直視していただきたいとCNFEMLに送り続けましたが、それは外部の問題であるとして、共同代表ながらMLに参加できなくなっています。時間をかけてみなさんと話し合いたいと思います。


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