2013年9月8日日曜日

全世界のプロテスタント教会(WCC)に向けた、核問題を取り上げる戦略会議に出席して

9月6日(金)にソウルに出発し、7日はアカデミーハウスでの丸一日の会議、そして今日は朝一番の飛行機で帰国しました。会議の目的は10月30日~11月8日まで韓国釜山で開かれるWCC(World Church Council 世界教会協議会)総会においていかに核問題を取り上げさせ、全体の課題とするのかの戦略会議でした。参加者は台湾から4名、日本から3名、韓国は7名でした。この総会は7年に一度開催され、逆に7年間はこの総会で決定されたことは全世界のプロテスタントの教会の課題になるということです。

会議中、Facebookで流した情報に若干手を入れ、そのままみなさんに公開します。

1.羽田空港にて
今からソウルに向かいます。WCC(世界教会協議会)が10月に釜山で開かれるのでその最終の準備会に参加します。「原発メーカー訴訟」、被爆者2世問題、台湾問題を取り上げるよう積極的に働きかけます。行って来ます。みなさん、夏風邪に気をつけて。

2.アカデミーハウスにて
ソウルのアカデミ・ハウスに来ています。明日一日かけて、WCC(世界教会協議会)総会で、「原発メーカー訴訟」、台湾問題(第四原発廃炉)、被爆者二世問題などをどのようにアピールするのか、最終協議します。台湾からは4名、台湾長老協会から来ています。その意気込みがわかりますね。日本の教会関係では私だけです。その意気込みのなさがよくわかります(笑)。もちろん、韓国の事務局からは招待状を送っているそうです。


3.会議の開始(英語による国際会議は初めての経験です)
WCCのCoordinary Meeting for the Madang on Life and Nukeが始まります。台湾の4名のうち3名は30代の若い世代です。これからの会議が楽しみです。台湾Issueをアジアイッシューとして、世界イッシューとして取り上げ、第四原発廃炉の戦いを支持、連帯したいと思います。同時に、「原発メーカー訴訟」を全世界で取り上げ、メーカーの責任を問う運動になればと願います。

4.開会のあいさつ
民衆神学の実践者であり研究者である金容福博士から冒頭、聖書の解説があり、イエスの説く平和と当時のローマの植民地化での平和の違いを強調されました。アメリカの植民地下にある日本、韓国、台湾は原発を抱え、この廃止を求めることは私たちが求める平和のためです。

5.台湾、日本からの現状報告、問題提起
台湾からは第四原発の廃炉、Lanyu島の放射性物質の貯蔵問題(移転、高線量)の問題提起があり、世界の人たちの関心と支援を求めました。日本からは私が説明をしました。福島の汚染水の問題、再稼働、輸出問題を説明しました。「原発メーカー訴訟」の世界的な取り組みについても協力を求めました。



6.東北ヘルプ http://www.tohokuhelp.com/
今、東北ヘルプが今回のWCC総会でのブースでどのような取り組みをするのか説明中です。私は台湾の第四原発の廃炉の戦いの重要性を強調し、支援と連帯の働きをすることを提案しました。Lanyu島の問題、津波の可能性(台湾政府は津波の過去の歴史と可能性を否定しています)に関してもシンポをしようと話しています。

7.韓国からの説明
韓国側からはWCC総会でどのような反核のアピールをするのか説明しています。170ケ国、5000名が世界中から参加するので、その期間にどのようなブースでどのようにプレゼンするのか、また釜山近くにある古里原発の周辺で大々的なダイイングのデモンストレーションをするのか、計画中だそうです。

説明の中で、釜山駅街頭で、密陽(ミリャン)の送電塔反対グループともライブでつなげる
そうです。反核運動をWCC総会の場で全面的に展開するようですね。日本からの参加者はどれほどになるのでしょうか、台湾は台湾長老教会が33名を送るとのことです(もちろん、反核論者です)。日本の教会はどのような対応をするのでしょうか。

8.会議を終えて
結局、プロテスタント教会の最大の集まりである、7年に1度開催される総会は、その開催国の重要な人物(恐らく韓国大統領)が挨拶をするようなイベントなのですが、各グループが持つ問題意識を総会内の様々な催し物の中で多くの参加者に知らせ、働きかけ、最終的に総会総括に反映させる仕組みのようです。主催国韓国は核問題を最大のイッシュ―として取り上げようと今回の戦略会議を持ち、協議をしました。

最終的に決定したことは、台湾からはこの間私のブログで取り上げてきたLanyu島の放射性物質の貯蔵に反対してきた20年にわたる闘いの証言、日本からは福島の住民の証言、韓国からは被爆者2世の証言を取り上げることになりました。もちろん、私が会議の中でその重要性を強調し協力した「原発メーカー訴訟」についても発言する場があり、それは確保されたブースや、Ecumenical Conversationと銘打った問題提起、対話の場、日韓台で協力して運営するワークショップ(韓国語でmadan)でも活用できます。ただ話すだけでなく、様々なパフフォーマンスも工夫しなければならないようです。

9日間にわたり、5000名の人に語り掛け、様々な問題を理解してもらうのは至難のわざでしょう。物理的にもとても疲れる作業のように思います。しかしやるしかないですね!

9.番外編


1時過ぎまで話し合った私たちはアカデミーハウスから出て、街の有名な麺の店に行きました。私もそうですが、麺類には目がない人が何人もいて、すぐに賛成しました。しかし行って驚いたことに店の前は入りきれない人がいっぱい並んでいました。

手打ちうどん(Kal Kuksoo)とスジェビ(すいとん)を半分づつ頼んだのですが、今までに食したことのないスープでした。普通は透き通ったスープなのですが、ここのはゴマをベースにしたスープというより、乳白色で少し濁りのあるこってりした感じの(しかし食べてみると案外淡白な)ものでした。麺もすいとんも同じスープです。うむ、これは初めて。いける。ということで満足した一行は、午後からの会議では睡魔に襲われ、なかなか元のペースに戻ることはできませんでした(笑)。


しかし日本の東北ヘルプの川上さんととSkypeで話し合う頃になると議論は白熱し、どんどんと具体的なことが決定されていきました。福島の原発の現状、郡山市の市民の甲状腺の状態などが報告されたときは、みんな顔を見合わせて、言葉を失っていました。

ということで無事に会議を終えました。後はこれから私たちとしてどのようにWCC総会に関わるのか議論をしていかなければなりません。関心のある方は一緒に行きませんか。


その前の9月29日から、10月7日まで「反核アジアの平和の為に日韓市民による西日本ツアー」があります。韓国からは10名参加です。九州(福岡、玄海)、四国(松山、伊方)、祝島、広島、福井、神戸、ここからオプションで台湾から3名が参加して仙台、福島に回るツアーに部分参加でもいいですからいかがですか、バスで一緒にまわってもよし、交流会に参加されても結構です。通訳も募集しています。

かくて10月は忙しく過ごし、10月19日には東京で「原発メーカー訴訟」に向けて集会をもち(「呼びかけ人」を募集中です)、11月9日は大阪でも集会をもち、いよいよ11月11日の「原発メーカー訴訟」提訴の日を迎えます。

















1 件のコメント:

  1. 斎藤です。非常に重要な取り組みですね。シェアさせていただきます。

    返信削除