2013年1月20日日曜日

大間原発阻止の方法はないのか、私の提案


 自民党政権は着実に再稼働に向けて歩みだしています。経産省の茂木は、青森県知事に対して「核燃料サイクルの政策」の継続を約束をしたと報じられました。残念ながら、朝日新聞は小さく報道しただけです。

大間原発の工事も再開され、函館の市民は2月7日に大集会を計画しています。多くの人が結集してほしいものです。函館知事は大間原発再稼働に反対し、再稼働が決定されれば裁判を起こすと表明し、話題になりました。私たちは昨年、下北半島地域スタディ・ツアーを実行し、函館市を表敬訪問したことがあります。

何か再稼働を阻止する具体的な方法はないのか、ひとつ私の提案があり、函館の運動をする仲間や、市民運動グループで検討していただきたいことがあります。一昨日ブログで書いた内容を参照ください。
再稼働の前提は住民の安全確保、当然です
http://www.oklos-che.com/2013/01/blog-post_18.html

大間原発の事故があれば、函館の経済は壊滅状態になるという、経済的な視点も重要ですが、何といっても、住民の安全確保こそ最大の課題として行政・市民が取り組むことはできないものでしょうか。政府は、防災指針を準備し、それを目安として各地方自治体が具体的な避難計画を立てるようにということを明言しています。

事故が起こった場合の避難計画を立てるというのは、再稼働反対運動をするグループからすると妥協的であると批判されるかもしれません。しかし私は卯辰昇さんの著書から、実際アメリカで、「緊急時避難計画が、立地上の問題(半島突端近くに所在し、避難計画が一方向しかなく、朝夕のラッシュ時や夏のレジャー時における交通渋滞の恒常的発生)を勘案すると、実効的な避難は不可能という理由により、原子炉の廃炉に追い込まれた例がある」ことを知りました。

行政も再稼働反対の立場であるならなおのこと、市民と行政、議員が一緒になり、事故が起こった場合に住民の安全確保が成り立つのか、有識者・専門家もいれて徹底的に議論し、シュミレーションを作るのです。私は住民の安全確保はできないと考えています。日本の原発は(韓国も同じですが)、事故が起こらなことを前提に作られているので、事故が起こった場合の住民の安全確保をどうするのかということを考え、原発立地を選定し調査したわけではないからです。

しかし福島の事故で、実際に原発事故はおこりうるということがわかったわけですから、原発立地地域に近い地方の自治体と市民が単に反対の意思表示をするだけでなく、安全確保を正面から掲げ実際に避難計画を作成するのです。そこで住民避難ができないことが明らかになれば、政府はそれでも再稼働を実行すると言えるでしょうか?

もしそんなことになれば地域住民は黙っていないでしょう。危ないというだけでなく、避難計画を実際に立てるのです。私は、住民の安全確保のために避難計画の策定がなくては政府は再稼働は認めない、という当たり前のことを政府に迫ることが重要だと考えます。

すでに浜岡においても、佐賀においても、おそらく福井においてもどこにおいても実際に事故があれば避難することはできないと多くの住民は訴えています。しかし「避難することはできないと思う」ではだめなのです。多くの原発立地に近い地方の自治体が積極的にそのようなことに取り組むことは恐らくないでしょう。だからこそ住民が議会や行政に働きかけるのです。いかがでしょうか、各地方でそのようなことはできないでしょうか。是非、ご検討下さい。










9 件のコメント:

  1. いつも楽しく、読ませていただいております。原発名は忘れたのですが、アメリカで原発が半島の端にあるから爆発したら逃げられないから、廃炉にしたという話があったような・・・詳しいこと、ご存じでしたら何か教えてください。

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  2. 斎藤京子さんへ

    以下のブログに記しています。
    アメリカのNY州のショーラムというところです。
    再稼働の前提は住民の安全確保、この点の議論がなさすぎるのでは
    http://www.oklos-che.com/2013/01/blog-post_18.html

    卯辰昇さんの本に詳しく書かれています。

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  3. 福井でも、県や地元の市町に、避難計画や訓練についての申し入れを行ったり抗議行動で、実体を暴露したりする行動は、常におこなわれています。

    こういった議論は、諸刃の剣みたいなところがあると思います。

    自分自身は、避難計画を要求して、事実上ありえないから、止まるという筋書きは相手(為政者)が、良心のかけらでもあれば可能だと思いますが、現実は、逆です。

    当然、付け焼刃の避難計画や訓練を実施して、「対策してます。」ので「大丈夫」なので原発GOとなります。

    住民との「対話」も、一方的な説明とかフォーラムの場をやったから
    (議論が論理的に推進派がおかしくても、「対話」したという
    既成事実だけが取り上げられる)これも、原発推進を次へ進めるの理由になるだけです。

    しかも、最近の現実では、原発反対派(最近は「反対」といいう主張さえしくなった)は、完全になめられていて、大飯再稼働のときなどは(避難計画の話ではないですが)再稼働の説明会もありませんでした。
    記者会見が県民への説明であるからよしという、人を食った理由が
    正々堂々とまかり通りました。

    避難対策は、去年秋ごろの報道では、周辺たった5Kの避難計画を進めており(もろん、それさえ、過酷事故では、ちょっと考えれば避難できる訳もない対策ですが)、残りはあとで検討ってことで、現状はそれで行きましょうといった論調です。

    では、避難計画については、反対運動でとりあげるのは無意味かというとそうではないと思います。

    まず、黙ってしまえば、ますますひどくなる。
    つまり、焼け石に水程度とはいえ、一端事故になれば、それだけ被害が拡大する。

    次に、抗議したり、避難計画を要求する過程を広く周知することで、いかに避難計画がデタラメで、為政者たちは住民の健康・生命などどうでもいいかという証明ができると思います。
    マスコミに頼らない宣伝方法が必要ですが・・・

    むろん、これだけでは、原発をとめたり建設を阻止することはできないと思います。

    諸刃の剣になることも、しっかり頭にいれて、しかし、住民避難対策を反対運動の立場から行うべきだっと考えます。

    福井でも、集会では「反対」さえ言わなくなり、反対をさけぶ人達を運動から排除しようというような動きも強くなりましたが、
    少数ですが、がんばる人達が、住民避難対策をとりあげ、県と交渉したりする一方で、インターネットビデオなども使って、マスコミにたよらず県民や立地地元住民に訴える地道な活動を続けています。

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    1. 福井のNさんへ

      おっしゃる通り、まさに「諸刃の剣」です。
      行政の質もさることながら、どれほど、どのように行政に市民が参加するのか、市民の政治参加とは何か、ということから考えたことです。

      以下、函館のアメリカ人の友人にだしたメールの一部です。

      私は川崎での住民主権、民主主義ということは実際にはどのように
      実現するべきなのかずっと考えてきました。4年に1回、選挙して
      先生や政党に頼む、ということが民主主義と言うのではあまりにも
      貧弱すぎます。

      在日の政治参加は、そのような形式的な間接民主主義に入るだけなら
      それは既存の社会に埋没するだけであり、社会を変革するには、今の
      あり方のどこが問題なのかを考えてきたのです。

      私の結論は、市民と行政と議員が一緒になって話し合い、ある課題に
      ついての政策をだしていくことです。そのような日常的な場が不可欠
      です。他にもせいぜい10万人規模の区で予算から政策を決定する
      という区民会議も考えています。

      そこから今回の再稼働反対の実際的な運動を考え、提案したのが
      以下の点です。再稼働反対のデモをする、再稼働させないようにする、
      それは当然のことです、しかし官邸前のデモではそのことは実現しません。それは安保闘争や、3000万人の署名を集めた核反対闘争でも明らかです。

      私の提案はアメリカで実際にあったことを今の2基を除いてすべて原発が
      止まり、それを再稼働させたがっている自民党政権下での具体的な
      市民運動のひとつの方法論です。

      今年の秋には、日立・東芝・GEを相手の裁判を起こします。原告は、福島事故によって精神的なショックを受けた人であれば世界のだれもがなれます。具体化したら知らせますね。そのときにはよろしく。

      以上です。実際に福島で日本では起こるはずはないことが起こったのですから、福井においても、住民の安全の確保という観点から避難はどうすれば可能か、問題は何か、この点を徹底的にやる必要があると思います。

      いかがでしょうか?

      崔 勝久

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    2. > 以上です。実際に福島で日本では起こるはずはないことが起こったのですから、
      > 福井においても、住民の安全の確保という観点から避難はどうすれば可能か、
      > 問題は何か、この点を徹底的にやる必要があると思います。
      >
      > いかがでしょうか?
      メールに書きましたが、避難対策の問題は、福井では古くからの課題です。
      崔さんのお考えとは、かなり違うかもしれませんが、
      とりあえず、最近の動きのひとつですが、下記のようなビデオがあります。ビデオ最初のほうで防災課との議論となっています。
      http://www.youtube.com/watch?v=3yXZ0tfZa74&feature=youtu.be
      ※この日は、各団体が申し込みをしてから数か月またされ
       一斉に「案件」を片付けられたって感じで、ビデオのような
       やりとりが、繰り返されました。

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    3. Nさんへ

      これは対話ではないですね。市民の質問と追及であって、住民の安全確保はどのようになされるのか、という話し合いではないですね。私のイメージは、まず市長から、住民の安全確保のために何をどのようにすればいいのかということを有識者を入れて円卓会議で話し合い、結論をだすという決定がなされなければならないと思います。

      これは千葉などで自然を守るということでの成功例があります。
      そもそも住民と議員、行政が一緒になって原発立地地域で住民避難
      をしっかりと考えようというコンセンサスがなければ話し合いにはなりませんね。

      そもそも住民の安全を保障するということは原発建設の許可に際しても
      検討もされていなかったのですから。

      うむ、むつかしいですね。

      崔 勝久

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  4. 私は、ある研究者から紹介された『地域環境の再生と円卓会議―東京湾三番瀬を事例として』(三上直之 2009 日本評論社)を読み始めて、この本を皆さんにも読んでいただいて、「市民参加による政治参加」について、意見の交換をしたいと思っています。実践的に、大変参考になる力作です。現場に関わりながらも、学者として理論化することを心がけ、市民参加による施策決定にこれほど情熱と誠意をもって書かれた本を私は読んだことがありません。

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  5. 福井のNさんから

    ビデオの人たちは、ほとんどが311以降活動を始めた方で
    むろん、市民運動とか住民運動も初めてです。
    いわば運動素人ですが、福井で生まれ育って長く
    今までの、歴史や諸事情を背負って活動を始め
    ビデオようなアンケート回答となりました。

    やり方がいいか悪いかさえ、よく判りませんが
    > 市民の質問と追及であって、住民の安全確保はどのようになされるのか、
    しかし、とうてい県側は、「住民の安全確保」など自分たちが責任をもって
    かかわることには関わらないという方針にみえます。

    とにかく、田舎なのです。
    封建的で、原発問題でなくとも、県はお上なのです。
    下々と一緒に作業なんて、まず、相手にもされないのではと思います。
    (決して短絡的にいっているのではありません。
     原発以外でも、長年の福井での歴史や事情も含めてです。)

    場合によっては、年代を戦前程度までさかのぼらないと理解できないことも多々あります。
    (恐らく、他の立地の県も事情は同じでしょう)
    その上、長年つくられた原発推進の構造や人脈、住民監視網などができあがっています。

    県の基本姿勢は、ひと事でいえば、全て国の責任。
    県は、既にある原発をどう安全に動かすかが仕事。責任は国。
    防災についてもビデオの通り。
    共同作業とか話し合いどころか、説明会さえ、最近では適当にやるか
    説明などしない。
    ・・・むろん、推進側とは会います。
      お願いしますといわれて、ハイですね。

    知事が変わっても、そこは同じ。

    知事が変わると(現状、可能性はとても低い)いいかもしれません。
    それでも、福島の佐藤栄佐久さんの例を考えると、あまり期待はできない。

    政治屋もいます。
    反原発の重鎮のような人で議員立候補するとか、要請・要求運動も含めたロビー活動のような
    活動を得意げにやっている人もいます。

    そのためには、「反対」などというな。人があつまらぬ。
    よけいなことに労力を消耗すると運動に支障がでるからするな。
    要求もなぜか30年を超えたものは止めてください。
    明るく楽しく、活動を。
    そうしなかったから、いままで止められなかったのだ。
    などと「指導」しながら・・・

    革命とまでは言わなくても、社会変革も考えながらでないと、
    未来はなかなかみえてこないと思います。
    でも、どうやって、どういうふうに社会変革?
    一般人には、とてもつもなく難しい問題です。

    しかし、だからといって、何もしないのでは先がない。
    崔さんのように、社会本質から問いながら、やっていくしかないと思います。

    ちなみにビデオの人達は、毎週金曜日に県庁前で抗議行動して
    県庁一周デモをやっています。

    要求活動だけではとても何も動きそうにない。
    かなり直截的な怒り表現のデモなんかになることもあります。

    むろん、それで足りるとか、それでいいと思っているわけではありません。
    様々な活動で、とにかく、声をあげていこう。ってことでやっています。

    学び考えるていかざるをまえせん。

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    1. Nさんへ

      そうですね、現実はその通りだと思います。
      行政、役人は「お上」なんですね。
      でもこれって、福井が田舎だからなのではなく、川崎でも東京でも
      同じですよ。試行錯誤を続けるしかありませんね。

      崔 勝久

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