「当然の法理」を問う 鄭香均さんが横浜国大で講義
【神奈川】東京都の保健師として管理職就任を認めない
「当然の法理」の不当性を問い続けてきた鄭香均さんが
5日、横浜市保土ヶ谷区の横浜国立大学で約90分の「特別
講義」を行った。同教育人間科学部の加藤千香子教授が、
「差異と共生」の授業枠の中で招請した。
鄭さんは看護3職から国籍要件が外された88年、都の保健師
として採用された。外国籍としては当時、第1号だった。その後、
上司から管理職受験を勧められながら、日本国籍がないことを
理由に拒否され、裁判に訴えた。
最高裁での敗訴について、鄭さんは「日本には正義がない。
日本の民主主義が問われている」「当然の法理は日本国籍
保持者全体に係わる問題」だと諭した。他人の苦労話とばかり
思っていた学生の中には、予想外だったのか、一部で戸惑いと
反発も見られた。
一方で、「日本人ならば日本の法に従うのは当然だと
思っていましたが、ふだん、法を意識していない私は、
知らず知らずのうちに法に縛られすぎているのではないか」
と肯定的に受け止める意見も目立った。
加藤教授は、「公務員は公権力であり、それに従う
のは当然だとしてきたいまの学生世代には、えっ自分?
なに、どうして? という感じでしょうね。こうした揺さぶり
こそが必要」と確かな手応えを感じていた。
(2010.7.14 民団新聞)
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