川崎市職員労働組合と日立製作所労組との類似性―朴鐘碩
第40回日立製作所労働組合ソフト支部定期大会「すべての議案が可決される」
8月4日開催された定期大会の結果は、組合から説明もなく8月27日発行の(大会から3W以上遅れ、紙切れ1枚の)チラシ「ユニオン ソフト」のみで知らされました。
ソフト支部委員長は、「課題は残したものの一定の成果は残せた」と冒頭挨拶しています。「夢ある未来への前進~豊かな個の実現と働きがいのある職場づくりをめざして~1.ゆとりある豊かな生活の実現をめざして2.安心と働き甲斐ある職場の実現をめざして3.人に優しい社会の実現の実現をめざして4.組織の強化発展をめざして」また、「統制委員と表彰者」が決まり、「すべての議案が可決され」ました。「表彰者」は、「表彰規程に基づき」組合役員・委員11名、「特別表彰」は、組合出身の横浜市会議員と女子ソフトボール部」が選ばれました。
「表彰された」役員・委員は、心から喜びの表情はなく、どことなくぎこちない感じです。なぜか視線は下に向いています。
しかし、なぜ、このような「表彰規程」があるのか、役員・委員、横浜市会議員、女子ソフトボール部が何故「表彰」されたのか、何を基準に「統制委員」を選んだのか、説明がないため疑問に感じている組合員は少なくありません。また、この大会には「ご来賓」としてソフト執行部から中央委員になった2名、元衆議院議員、横浜労働者福祉協議会事務局長、全労災横浜支所課長、中央労働金庫戸塚支店長が出席しています。一般組合員(は参加できない)の意見を反映するより、何故このような人たちが「ご来賓」として出席し、定期大会で挨拶するのか、組合(議案)とどのような関係なのか組合員には理解できません。
予め指名され、普段意見・要望など出さない、組合活動に関心もない、沈黙している組合員が「自ら立候補する」形式で「信任」された代議員130名が出席したはずです。「時短取組、単身者住宅手当、「政権交代をし、私たちの声を国政に届けてもらえるよう」な衆議院選挙、各種共済PR、組合イベント充実」などの質問・要望が代議員から「出された」ようです。
しかし、こうした質問・要望は、本当に代議員から出されたのか?職場の組合員の意志を反映したものか?誰が提案したのか?疑問です。拳を上げた「大会代議員のみなさんの「団結ガンバロ-」三唱」の顔(写真)の姿は、これから「組合員の権利を勝ち取ろう!」という「ガンバロ-」ではなく、上からの押し付け(やらせ)と言いたいことも言えない、自分(個)を犠牲にし、指示に従うしかない悲壮感だけを代議員の表情から私は読み取ります。
「HITACHI」で働く20代、30代のエンジニア(正規労働者)は、企業社会で長生きするために自らを殺して、沈黙する以外にないのでしょうか?川崎市職員労働組合と川崎市長候補・阿部孝夫の(自治体の)「政策協定」(http://anti-kyosei.blogspot.com/ 2009年8月23日)は、民間企業日立製作所経営者と労組幹部も同様な関係と私は理解します。具体性のない、「行政改革」には、「人権の尊重と平和への貢献」「多様性と個性を尊重し、多文化共生社会の創造」「高齢者、障がい者などが安心して暮らせるまちづくり」と地域住民の現実生活と乖離した表現となっています。
労働者の人権を擁護すべき市職労多田昭彦委員長と「外国人は準会員」と差別発言した、新自由主義者・阿部孝夫市長の「労使協議」は、「安定的な労使関係」「職員の意見反映に努め、職員総参加の市政運営を推進」と記されていますが、「政策協定」は職員(組合員)の声を反映したものか疑問です。
日立労組定期大会の議案にあるように、これは「組織の強化発展をめざして」います。「個の実現」「人権の尊重」「多様性と個性を尊重し、多文化共生社会の創造」と裏腹に組織維持と幹部の延命を優先しています。弱い立場にいる労働者(個)の存在(人権)を無視する組合は、組合員の汗と血の結晶である組合費を使って「政権交代」をめざす特定政党あるいは新自由主義者を支援します。
私の職場に「政権交代実現」のチラシが組合掲示板に貼られましたが、組合員は見向きもせず、喜びの表情を見せることも話題にすることも全くありません。逆に白けている感じです。組合(連合)幹部が応援・期待した「政権交代実現」で、組合員(個)の意思を尊重するのでしょうか?組合員が自由にものが言える、開かれた職場環境になるのでしょうか?それは期待できないでしょう。
ものが言えない職場、幹部の延命、組合員の人権よりも組織維持を優先させるなど足元に存在する多くの問題と矛盾を不問にしたまま、「個の実現」「人権の尊重」「多様性と個性を尊重し、多文化共生社会の創造」はできません。
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