2020年7月4日土曜日

Y大の学生諸君に送る仮定のメッセージ

コロナ禍で大学の授業がどのような形で運営されるのかわからいそうですが、いつか従来通りの授業が可能になることを願い、学生諸君にメッセージを送ります。これはあくまでも仮定のものです。私の希望的・主観的な思いで書きました。          崔 勝久


Y大で加藤教授のリモート授業を受けていらっしゃる学生のみなさんへ加藤教授のご依頼でみなさんにネット上で話すことになりました崔勝久(チェ スング)です。コロナ禍にあってどのようなメッセージを皆さんにお伝えすればいいのか正直なところ、当惑しています。
実は私自身、昨年末に持病が悪化し2カ月の入院を余儀なくされ、私の家族は医師から危篤状態だと宣言されたそうです。一命をとりとめたと家族は言ってますが、私自身は新たな生命を与えられたと思っています。退院後はコロナ禍によって外出もままならず、毎日、早朝の散歩以外は、一日中自宅にひっこむだけの生活になりました。そういう生活の中で私が取り組んでいるのは自叙伝です。
そうなるきっかけは実は、故鄭香均(チョン ヒャンギュン)という女性です。彼女はY大で講演をしたこともありますが、外国人で東京都の公務員になった第一号だったのです。10年の勤務の後、友人からの勧めで管理職試験を受けようとしたところ、外国人は「当然の法理」によって管理職には就けないと門前払いされました。もちろん、地方公務員は日本人に限るとする法律はありません。彼女は憲法の職業選択の自由を盾に東京都知事を訴えました。
地裁では敗訴し、高裁では勝利したので最高裁がどのような判決を出すのか注目されましたが敗訴に終わりました。そこで問題になったのが、「当然の法理」という、公務員は日本人であるという政府見解です。地方国家公務員の管理職にどうして外国人は就けないのか、その最大の根拠は、国民国家は個人の人権よりも優位であるというものです!
鄭香均の1周忌の集会に参加した名古屋の女性が風媒社という出版社に私のことを話してくれ、それがきっかけで風媒社との自叙伝出版の話がもちあがり今に至っています。順調にいけばこの秋にも出版されるとのことです。
私は鄭香均の意思を継ぎ、個人の人権より国家を上位と規定し「当然の法理」によって外国人を排除する社会は変革されなければならないと考えています。Y大では、鄭香均が問題提起した「当然の法理」についてお話したいと思います。今度機会があれば、みなさんとお会いできることを楽しみにしています。
  2020年7月4日
 崔 勝久(チェ スング)

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